6次産業化への夢:自分のジャムやジュースを販売したい

6次産業化への夢:自分のジャムやジュースを販売したい


採れすぎた果物、どうしてますか?

「庭のイチゴがたくさん採れたけど、食べきれない…」 「形が悪いトマト、捨てるのはもったいないなぁ」

家庭菜園を楽しんでいると、嬉しい悲鳴として「収穫物が余ってしまう」という問題に直面することがあります。 近所にお裾分けするのも良いですが、ふと「これ、ジャムやジュースにして売れたら素敵じゃない?」と思ったことはありませんか?

生産(1次)だけでなく、加工(2次)から販売(3次)までを全部自分でやる。 これを掛け算して「6次産業化」と呼びます。

今回は、家庭菜園レベルから始める「6次産業化」の夢を叶えるためのステップと、絶対に知っておくべきルールについて解説します。

ℹ️ この記事はこんな人におすすめ
  • 自分の育てた作物でオリジナル商品を作りたい方
  • 「6次産業化」という言葉に憧れている方
  • 道の駅やマルシェで自分の商品を販売してみたい方

6次産業化のメリット

単に野菜を売るのと比べて、加工品にすることには大きなメリットがあります。

  1. 食品ロスが減る: 形が悪くても、味は美味しい「規格外品」を有効活用できます。
  2. 保存がきく: 生鮮食品と違い、ジャムやドライフルーツなら賞味期限を長くできます。
  3. 付加価値がつく: 「〇〇さんの手作りイチゴジャム」としてブランド化できれば、単価を上げられます。
💡 豆知識:なぜ「掛け算」?

「1次+2次+3次=6次」ではなく「1次×2次×3次=6次」と言われるのには理由があります。 それは、「どれか一つでもゼロなら、結果はゼロになる」からです。 どんなに良い作物(1)を作って加工(2)しても、売る努力(3)がゼロなら利益は出ない、という戒めが込められています。

最大の壁は「保健所の許可」

「よし、じゃあ家のキッチンでジャムを作って、メルカリで売ろう!」 …ちょっと待ってください!それは法律違反になる可能性が高いです。

「営業許可」 が必要です。 そして、この許可を取るためには、通常 「自宅のキッチンとは別に、専用の加工場」 を設置しなければなりません。

項目 自宅キッチン 許可が出る加工場
手洗い場 普通の流し台 手洗い専用の設備が必要(消毒液完備)
区画 生活スペースと一緒 壁や扉で完全に区切られている必要がある
床・壁 フローリングや壁紙 水洗いや消毒ができる材質(コンクリートやステンレスなど)

リフォームやプレハブ小屋の設置には、数百万円かかることも…。ここで多くの人が挫折してしまいます。

初心者の味方「委託加工(OEM)」

「そんなお金ないよ…」と諦めるのはまだ早いです。 設備投資ゼロでオリジナル商品を作る裏技、それが 「委託加工(OEM)」 です。

これは、すでに許可を持っている加工業者さんに、自分の材料を持ち込んで作ってもらう方法です。

1

加工業者を探す

「小ロット ジャム 委託加工」などで検索。最近は、農家向けの小規模な加工所も増えています。

2

レシピの相談と試作

「砂糖は控えめで」「果肉を残して」など、こだわりを伝えて試作してもらいます。最低注文数(ロット)は50個〜100個程度が一般的です。

3

製造・ラベル貼り

プロの設備で作るので安心・安全。食品表示ラベルの「販売者」欄にはあなたの名前が入ります。責任を持って販売しましょう。

加工賃は業者によりますが、例えばジャム100瓶で数万円〜といったイメージです。 原価は上がりますが、設備投資のリスクを負わずに「自分のブランドの商品」を持つことができます。まずはここからスタートするのが一番の近道です。

売れる商品にするためのコツ

商品ができたら、いよいよ販売です。

  • パッケージにこだわる: 瓶の形やラベルのデザインで「手作り感」や「高級感」を演出しましょう。
  • ストーリーを伝える: 「朝採れの完熟イチゴだけを使いました」「農薬を使わずに育てました」といった、あなただけのこだわりをポップやネットショップの説明文に書きましょう。
  • 販路を広げる: 地域の「道の駅」や「直売所」は、出品のハードルが比較的低いです。売上の15〜20%程度の手数料がかかることが多いですが、集客力は抜群です。

まとめ

自分の育てた作物が、素敵な瓶詰めになって誰かの食卓に届く。 「美味しかったよ」と言ってもらえた時の喜びは、何物にも代えがたいものです。

いきなり加工場を建てるのは大変ですが、OEMなどを上手く使えば、夢への第一歩はすぐに踏み出せます。 まずは、近くに小ロット(少量)から受けてくれる加工所がないか、探してみることから始めてみませんか?

💡 まずはここから!

地元の商工会や農業普及指導センターに相談すると、近くの加工業者を紹介してくれることがあります。「相談無料」の場所が多いので、活用しない手はありません!